メンタルトレーナーの浅見広明です。
仕事で私たちが一番大切にしていることがあります。
それは
内外を一致させるということ。
つまり、
心に思っていることと
言っていること
やっていること
これらが
裏表なく一致していることです。
この状態を謙虚利中といいます。
江戸時代に中国から日本に入ってきた書物に
「陰隲録」(いんしつろく)という本があります。
明の時代に書かれた自己啓発書だそうです。
それが江戸時代(安政年間)に日本語に訳され
「和語陰隲録」(わごいんしつろく)として伝えられています。
その本の中に、「謙虚」という概念について解説されている箇所があり、
このようなことが書かれています。
(現代語訳は当社)
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謙とは礼儀正しくへりくだることである。
虚とは心の中に少しのたくらみやわだかまりも持たず力みがない状態である。
利中とは胸中にあるよくない思いを洗い流して捨てる決心をすることである。
多くの人は外面は礼儀正しいが、心まで礼儀正しくへりくだっている人は少ない。
心からへりくだっている人は、その様子が見た目に現れて、あり方も自然に礼儀正しくなるものだ。
だから心からへりくだり礼儀正しくするということが第一なのである。
これを虚という。道家の教えにある「虚」とは同じ字だが意味は大きく違っている。
一方。心の内側は高慢なのに、外見や言うことで礼儀正しく見せている人は何ともそらぞらしい人である。
見た目がこつぶでも、心の内側から謙虚な人は、自然と見た目がよくなり、みっともないということがない。
(中略)
結局外側に現れる形と心の内面が一致して礼儀正しく控えめな態度でへりくだることを謙虚利中という。
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つまり
美しい心を持ち
内外が一致して
美しい心の内面が外に現れているような
そういう人を育てたい。
その前に
まずは自分が常にそういう人間でありたい。
謙虚利中の教えに触れてからは
自分の言動が内面と一致しているかどうか
その内面にある思いが
美しい心に基づくものであるかどうか
つまり
口に出して堂々と人前で言うことができ
行うことが出来ることなのかどうか
そういったセルフチェックが行えるようになりました
まだまだ
セルフチェックに「引っかかる」場面は多いのですが
自分が思うことと
言葉にすることや行為が
自分の内面と一致していないことによって
モヤモヤしてストレスを溜めることは減ってきましたし
自分の都合から出た思いを口に出して
周囲との関係を損なうことも減ってきたと思います
研修でもこのようなことの大切さ
(もしかしたら私たちが生きる上で一番大切なことの一つかもしれません)
を伝え
より大勢の「内外が一致した」人を育てていきます