月別アーカイブ: 2009年5月

【コーチング】コーチングとティーチング

みなさん、こんにちは。

No.2育成専門コーチの浅見広明です。

4月に新人さんが入ってきて、そろそろ2ヶ月。
新人さんたちは徐々に職場に慣れ、与えられた役割の一部は一人でも出来るようになってくるころかと思います。

今日は、コーチングとティーチングの使い分けについてお伝えしようと思います。

「コーチングは、相手から答えを引き出すこと。ティーチングは相手に答えを教えること。」

相手に対する関わり方に焦点を当て、その特徴を端的に言うとこんなふうに表現できると思います。
もちろん、この定義が万能ではありませんが、今日はこの前提に従って考えていきましょう。

「新人の育成にはコーチングとティーチングのどちらが向いているのか?」

そんな質問を受けることがあります。

やったことのないことを教えるのに、「どうやったらよいと思う?」とコーチング式の質問をしても、なかなか思うような答えは返ってこないでしょう。
初めてのことを教えるには、ティーチングの方が向いています。

また、緊急を要するときも同様です。今一刻を争う場面で、新人教育もしなければならないときには、「さて、こんな場合どうしたらいいだろう?」なんて投げかける上司はいないはずです。
しかし、注意も必要です。今は緊急事態だから、あなたはやらなくていい、として、部下を緊急案件から遠ざけていないでしょうか?

こういうときこそ、「やり方を、よく見ておくように」と指示し、仕事のやり方を見せ、収まってから事態を振り返りながら、部下にやり方を定着させるいいチャンスです。
この場ではコーチングではなく、ティーチングが効果を発揮します。

では、ある程度仕事に慣れてきて、応用の段階に入ったとしたらどうでしょうか?
このときになって初めてコーチングの出番が来ます。

「以前、似たようなことをやったのはいつ頃かな?」そんなことを訊きながら、記憶を呼び戻し、新たに取り組む仕事と、以前トライしてマスターした仕事のやり方との類似点はどこか?自分なりに工夫し、アイディアを活かせるとしたらそれはどんなやり方か?…などなど、質問しながら、相手に考えさせる機会を与えて、新人さんから答えを引き出すのがコーチングです。

皆さんの職場の新人さんも、そろそろ、応用で仕事を覚えていく時期にさしかかっているかもしれません。
そんな気がしたら、ぜひ質問することを意識して、相手から答えを引き出してください。

そのときのポイントは、

「答えを待つこと。」

私たちは、つい自分のペースで相手に答えを求めがちです。

「どうやったらいいと思う?」

そんなふうに問いかけられて、初めて彼らの脳は自分の中に答えを探し始めます。もしかすると、始めのうち彼らはインターネットで検索しようとするかもしれません(笑)。
しかし、個別の仕事のやり方までネット検索では調べられません。こんなときこそ、ビジネスの世界では、自分の頭で考えて答えを出すことに価値があると、教えてあげる機会です。

「全ての答えは相手の中にある」

この考えはコーチングのベースになるものです。

しかし私は、この考えは常に正しいとは思っていません。
初めてのことはわからなくて当然。
相手の中に答えがない場合もあることを認めないと、コーチングとティーチングを場や相手に応じて使い分けられるようになりません。
一つの考えにこだわらないことが、発想の可能性を広げ、より相手の可能性を大胆に引き出せると考えています。

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うまく行っている会社には理由がありました。
仕事を通じて過去に数百社を見てきて私たち。上手くいっている会社には、共通の理由がありました。
それは「最高のチームをつくる」ことに時間とエネルギーが費やされているということ。言い換えると「No.2の育成」が、しっかりと行われていたのです。

私たちは、経営者の右腕になる「No.2」を育てることを専門としたコーチング技術で、経営者が「やりたい仕事」に専念できる組織づくりを支援しています。

そして、ナンバー2の育成を通して、経営者をはじめ全社員が目を輝かせながら働く元気な会社を1000社誕生させます。

CAPTAIN No.2 浅見広明

【コーチング】コーチの選び方

 みなさん、こんにちは。

No.2育成専門コーチの浅見広明です。

このブログを読んでくださっているみなさんは、少なからずコーチングに興味を持っていることかと思います。
これからコーチングを受けてみようと思う方もいるかもしれませんし、ある方はすでに受けたことがあるかもしれません。社内にコーチングを導入しようと考えている経営者の方もきっといることでしょう。

今日は、どんな方にとっても参考になる「コーチの選び方」について書きます。

よいコーチというと漠然としていますが、「あなたの目標達成を効果的に支援してくれるのが、あなたにとってのよいコーチ」、ということになります。

コーチングの定義をしておきましょう。

CAPTAIN No.2の定義は、コーチングとは、「相手に第三者的な立場で関わって、相手の持っている答えや可能性を引き出し、現実化する支援をすること」です。

養成機関でトレーニングを受けたコーチならば、それが出来るコミュニケーション能力を備えていますし、人生経験を積むうちに、人と本気で関われるコミュニケーション能力を身につけて、コーチ的な関わりや支援を知らずしらずのうちにしている方もいらっしゃいます。これはいわば「天然コーチ」(笑)

相手の立場にたって、本気で相手と関わるコミュニケーション能力はコーチにとって最低限の「スキル」だと思います。

私がもう一つ大事に思うことがあります。

それは、コーチ自身が、自分が何者かに気付いていて、どんな使命感で、コーチとして相手に関わっていくかを、ハッキリと認識できているということです。
一言で言えば、「自分がどういうアイデンティティなのか」が、分かっている人、ということです。

コーチングで扱うテーマは、セッションを繰り返すうちに、質的に変化してきます。
最初は、仕事のやり方だったり、人間関係だったり、時間管理だったり、と目の前の問題がテーマになることがほとんどですが、これらが片付いてしまうと、テーマは自然と自分自身と向かい合うようになり、自己探求の旅に入って行きます。
このプロセスでは、コーチ自身がそのような旅に出かけ、本当の自分に出会った経験があるからこそ出来る支援があります。そして、共有できる感動があります。

いくら専門知識があっても、その山に入ったことのない人に、トレッキングのガイドを任せられませんよね。
地図で知っていることも大切ですが、「体で分かっている」、「体感している」ということが大事。
ましてや、自分自身のあり方に迷っている人には、自分の人生の旅のガイドは任せられません。

では実際にどうやって探すか、ですが、それはポイントを押さえれば割と簡単。

大勢のコーチが、自前のホームページを開設しています。
そこで、自分の理念やビジョン、ミッション、コーチングを通じて実現したい目標を明らかにしている人がいいでしょう。

もちろん、これだと言葉のレベルですから、人まねでも分かりません。
でも、実際にHPにアップされている理念やミッションが、自分の中から出てきた言葉なのか、それとも借り物なのかは、それらについて質問してみて、相手の反応を見たらすぐ分かります。

このために、コーチを選ぶときには、必ず一度会ってみて下さい。相性も確認できますし、その人の使命感も確認できるはずです。

そして、この質問もしてみて下さい?

「あなたにはコーチはいますか?」

コーチはクライアントの姿をありのままに映し返す鏡のような存在といえますが、コーチも人間ですから自分で自分の姿が全て見えているわけではありません。それを自覚して、クライアントに全身全霊で関われるよう、自分の状態を最高に保つためにコーチにとってもコーチが必要なのです。
よいコーチは、自分自身もコーチを雇って、自分の調子を整える仕組みを持っています。

この問いに「はい」と答えられなかったり、いろいろ説明モードに入るようなコーチは、自分自身にはコーチを付けていない可能性があります。

これらのチェックをしてみて、あなたが安心して自分をオープンに出来る人だと感じたら、迷わずそのコーチと契約するのがよいでしょう。

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うまく行っている会社には理由がありました。
仕事を通じて過去に数百社を見てきて私たち。上手くいっている会社には、共通の理由がありました。それは「最高のチームをつくる」ことに時間とエネルギーが費やされているということ。
言い換えると「No.2の育成」が、しっかりと行われていたのです。

私たちは、経営者の右腕になる「No.2」を育てることを専門としたコーチング技術で、経営者が「やりたい仕事」に専念できる組織づくりを支援しています。

そして、ナンバー2の育成を通して、経営者をはじめ全社員が目を輝かせながら働く元気な会社を1000社誕生させます。

CAPTAIN No.2 浅見広明

【コーチング】上司は部下にコーチングできるのか?

 みなさん、こんにちは。

No.2育成専門コーチの浅見広明です。

コーチなのに、ブログにコーチングの情報提供をほとんどしてこなかったことに気づきました。
反省です。(笑)

と、いうことで、これから毎週水曜日をコーチングをテーマに書くことにしました。
毎週月曜の「今週の直江兼続」に続く2本目の定期テーマになります。

水曜日は、コーチだからこそ知りうる情報を皆さんにお知らせしていこうと思います。
コーチングを組織に導入していこうと考えている経営者・リーダーの方々に気付きと学びを得て頂く場となれば幸いです。

今日のテーマは、「上司は部下にコーチングできるのか?」です。

まずこの問いに答えを出す前に、「コーチング」という言葉の定義をしましょう。
ここでは、「コーチング」を以下のように定義します。

コーチングとは、「相手に第三者的な立場で関わって、相手の持っている答えや可能性を引き出し、現実化する支援をすること」です。

この前提に立つと、私のこの問い、「上司は部下にコーチングできるのか?」に対する答えは「No」になります。

自分のみならず同業者の仕事を否定しかねない答えですが、ちゃんと理由があります。
くれぐれも今日はここで読むのを止めないで下さい(笑)

ノーと答える理由は以下の通りです。

上司にとって、部下が取る選択や行動は価値のあるものです。時には、あらかじめ答えが決まっていることもあります。
コーチは、「相手の中にある答えを引き出す」役割ですが、上司にとって部下が選ぶ答えが決まっていたとしたらどうでしょう。
これは、「答えを引き出す」のではなく、決まった答えへの「誘導」になってしまうのです。

部下だけでなく、親や家族に対しても同様のことが言えます。
これはプロコーチである私自身でも同じです。
私もコーチングを学び始めた頃、親や家族に対してコーチをしようとしました。やはり上手くいきません。セッション中にどうしても感情的になってしまいます。それはなぜかといえば、親や家族がとる行動や選択が、私に対して大きな価値があるからです。

相手の答えが自分にとって利益にならない場合、無意識にその選択を妨げようとしてしまいます。そして、自分が相手にとって欲しい選択肢を提案し、それを選んでもらうように働きかけます。
これが誘導です。

上司-部下、自分-家族のような関係性の相手にコーチングするのは、プロであってもとても難しいことだと思って下さい。

ここからが今日のポイントです。

しかし、コーチング的な関わりで相手を支援することは出来るのです。
コーチが使うコミュニケーション技術を使って相手と関わり、相手の目標達成を支援することは可能です。

「コーチング研修」と呼ばれる研修には、ちゃんと効果があるのです。
ただ、そこで得た学びだけでコーチになろうとすると失敗します。

部下に対してコーチ的に関わるときには、相手がとる選択や行動によっては、自分が相手を誘導してしまう可能性があることを知っておくことが大切です。

どんな場面もコーチ的な関わりで部下育成ができるわけではありません。
部下側に知識や情報がない状態なら、それらを「教える」ことが必要ですし、
ある程度情報や経験がある状態なら、やり方を「アドバイス」することが有効です。
そして、それでも部下に迷いがあるようならば、コーチングスキルを使って、相手の話を聴き、同じ目線で勇気付けて、一歩踏み出す支援をすればよいわけです。

そこで生きるのが、コーチング研修で提供されるプログラムにある、相手の話を聴くときの姿勢、心のあり方、質問の投げかけ方…などです。

コーチング研修とは、「コーチが使うコミュニケーションスキルや心のあり方」を学ぶ目的の研修だということです。
そして、そこで学んだことを、社内のコミュニケーションに生かすと、相手と本気で関われるようになり、それによって人との関係性に変化がおこり、さらには業績にも変化が起こる、ということですね。

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うまく行っている会社には理由がありました。
仕事を通じて過去に数百社を見てきて私たち。上手くいっている会社には、共通の理由がありました。
それは「最高のチームをつくる」ことに時間とエネルギーが費やされているということ。
言い換えると「No.2の育成」が、しっかりと行われていたのです。

私たちは、経営者の右腕になる「No.2」を育てることを専門としたコーチング技術で、経営者が「やりたい仕事」に専念できる組織づくりを支援しています。

そして、ナンバー2の育成を通して、経営者をはじめ全社員が目を輝かせながら働く元気な会社を1000社誕生させます。

CAPTAIN No.2 浅見広明